
この5,6年の間ですっかり一般的になったスマートフォンアプリ。言わずもがな非常に便利ですし、毎日触らない日はないです。ニュースを見るだけでもSmartNews、Gunosy、NewsPicks、はてブなどなど、本当に5,6年程度の話でガラッと変わりましたね。
今回の記事はアプリがもたらしたユーザーの行動の変化を検証したいと思います。マーケティングの考えもガラッと変える必要がありそうです。
目次
インターネットでやっていることの7割は既にアプリ
2010年の頃までは、まだスマホの本格的な普及も緒に就いたころで、インターネットといえば、主にウェブブラウザを使ってウェブサイトを見る、ということが、殆どでした。基本ブラウザはInternetExplorerで、某掲示板ではOperaというブラウザが神ブラウザと言われてました。先日中国の企業に買収されてしまいましたが。。
一応2008年からGoogleChromeはあったようです。
以下の調査は、調査会社のニールセンによる、2014年7月時点の日本国内でのスマホのインターネット利用時間をウェブブラウザとアプリに分けたものです。
なんと、すでに7割の時間がアプリに費やされているのが今の数字です。
つまりは、今の時代、インターネットに接している時間の7割はアプリです。インターネットの勃興期からを知っている人にとっては、これは改めて考えてみると、すごい変化ですよね。
(参考:nielsen 2014年10月1日 http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/10/Newsrelease20141001.html )
上記は日本の結果ですが、米国では2014年の早い段階でなんとスマホの86%の時間はアプリに費やされているという調査結果も出ています。
ブラウザからアプリへ。そのウェブマーケへの大きすぎる影響さて、このようにインターネットへの関わり方が検索を中心としたウェブブラウザからアプリに変化することで、ウェブマーケに携わる人間に、どのような影響が出るのか?それは、
あまりにも大きすぎるものです。
アプリがユーザーと広告にもたらした影響
SEO、リスティング広告の影響度合いが低下する。
ウェブブラウザの起点は、検索でした。
ただ、アプリはそもそもカテゴライズされているため、検索する必要がありません。当然SEOやリスティング広告の影響度合いが下がり、これらからの流入も限られたものになってきます。
例を挙げると、今まで例えば「トヨタ 株価」などと、検索から入っていたものが株のアプリをダウンロードしておけば情報が分かるようになりました。自分の保有銘柄をアプリに記憶させれば、その検索の需要は完全になくなるのです。
(また脱線話ですが、楽天証券でたまーに竹中平蔵さんなど豪華ゲストを呼んで行う株式セミナーがあるのですが、その場で楽天証券の社長さんが既に株式注文も半分以上はスマホアプリ、というようなことを言ってました。何百万円、何千万円と損をする可能性のある株の売買すら、今はスマホでちょちょいのちょいなのかと驚愕した覚えがあります。)
株の他にも、
・路線乗換(検索で「東京 横浜 乗り換え」など入力する代わりに、乗り換え案内アプリを起動する)
・料理(検索で「肉じゃが レシピ」と検索せクックパッドアプリ内で絞り込む)
・リユースマーケット(検索からではなく、アプリでヤフオクを使用したり、メルカリなどの新興フリマアプリを利用する)
など、日常生活でGoolge、Yahoo!検索を行わずに、アプリで直でサービスにアクセスできるの例は、身近に溢れかえってますね。
ウェブブラウジングの起点としての検索というものの利便性は他に代替しえないものがあるので、今後もなくならないですが、アプリの登場でその影響度合いは下がってくることが想定できます。ニーズは減らないので検索への依存が減るという感じですね。
これは、今までウェブサイトへの流入の殆どが検索経由を占めていたことを考えると、ウェブ業界のビジネスの仕方を揺るがす、大きなことです。
ユーザー心理が、能動から受動へ変わる可能性がある。
アプリの普及で、インターネットの一般ユーザがより受動的になることは間違いなさそうです。
今まではユーザーが何かを調べる(能動的)というものが、何かをしている時に情報を得る(ニュース記事の関連や広告など)ことが増えます(受動的)。
ということは、下記のようなことが増えてくるのではないでしょうか。
- ステマっぽい記事風の広告の増加
- コンテンツに準じた(紛れ込ませた)広告の増加
- よりクリックされやすい、認知されやすい広告の増加(動画など)
- 技術にものを言わせる広告表示の増加(サイトジャック、飛び出しなど)
実際にYahooなどでもインフィード広告等の売上がかなり上がっている様です。
公式ラーニングポータル:http://promotionalads.yahoo.co.jp/online/course/ydn/ydn/infeed.html
コンテンツディスカバリーなんかはまさにコンテンツに乗じた広告配信手法です。
コンテンツディスカバリー:http://ycd.yahoo.co.jp/
実際にGoogle主催のセミナーでもSearchよりもDisplayの成長が多く、更にTrueViewの比率が増えていて先日のセミナーではなんとちょうど3分割ほどのシェアの様です。
以下の意見はリンクシェアというアフィリエイト大手のセミナーの内容のうけおりなのですが、「検索」はユーザが頭の中に自分で言葉をイメージして行う能動的な行為だが、アプリではそのような要素がなくなる。ニュースアプリでは流れてくるニュースの記事を流れるように受け取る。FacebookなどのSNSアプリでも、自分で能動的に情報を探すのではなく、知人の最新のアップデートを、受動的に受け取るのが主だ。といってました。
分析、プロモーションやコンサルティングなどをされる際には、今後頭の中に入れながら施策を考えたほうがいいかもしれませんね!検索ありきで既にニーズが顕在化しているユーザーに対してのプロモーション思考から、まだニーズが顕在化していない(わからない)ユーザーに対してのアプローチは、訴求方法が異なるはずです。
そんな感じで。
ほな・・・また。